
いつか俺にも春はくるだろうか
落日の風
ずいぶん長い間、この歌のタイトルがわからないまま、「なんか好き」と思いながら聴いていた。
96年のビデオパンフの動画である。
「歌詞検索で歌のタイトルがわかるよ」と友人に教えてもらい、ようやくフルで聴いたのはわりと最近だったりする。
歌詞はとても苦しい。
春が来る前の一番寒い時期だろうか。
それも山間の、故郷ですらなく、たまたま通りがかったような場所で、
風は泣いているし、心はちぎれそうだし、共に歩く道連れもいないひとりきりの旅路である。
「しばれ風に 追われた」と歌う桜井さんの声が身に染みる。落ち着く場所もなく、行き着く場所も見えず、春がくるかもわからない。
すごく寒い。なにしろ吹いているのは「しばれ風」だ。凍り付くような寒さといっていい。
心折れそうだけどまだなんとか踏ん張っている。
いつかくる春をまだ諦めていないけれど、問いかけずにはいられないくらいには疲れている。
この歌がでた1980年、まだメリーアンはでていない。
アコギにこだわっていた高見沢さんがエレキソロを組み込んだのがこの曲からだという。
2025年、振り返ってみれば確かにこの曲の後に春はきたのだけど、春が来る前の一番寒い時期の歌だったのかなと思わずにはいられない。
激励の言葉など一言もないのに、心が疲れたときはふとこの曲を聴きたいなあと思う。


コメント
@ろーたす
ろーたすさん、はじめまして!
歌詞は寒いですが湿っぽさはないですよね。桜井さんの声が力強いので、励まされる歌と思います!
@藤紫織
歌詞は寒いですが力強さありますよね!
雪の下のふきのとうみたいだと思ってます
こんにちは、はじめまして(^^)
『落日の風』
カラッとしたメロディラインや桜井さんの陽の氣を帯びた歌声に惑わされて、こんな寒々しい歌だったことに今の今まで気付きませんでした(なんて能天気なリスナーなんだ…)。
かりんさんの鋭い感性とスッキリした語り口がとても好きです。これからもどんどん語り尽くしてくださいませ♥
問いかけずにいられないくらいには疲れてる、が好きすぎます❣️
確かに、直接的なファイトソングじゃないですけど、内在的な力強さが感じられますね!